ウェブ担当者が知っておくべき検索意図について

ウェブ担当者が知っておくべき検索意図について

最近の検索をとりまく環境の変化は著しく、いままで効果のあったSEO施策をおこなっても検索順位が落ちてしまう状況になっています。小手先のSEO手法は通用しなくなってきた現在のSEO状況において重要性を増してきたのが「検索意図」です。

私たちは検索窓にキーワードを打ち込んで何気なく検索を行っていますが、同じキーワードを入れていても、私とあなたでは探しているものが違うのかもしれません。

キーワードにはもともと検索意図(インテント)があり、検索意図を深堀していくとユーザーや検索エンジンの考えていることが見えてきます。今回は検索の裏に隠された検索意図についてウェブ担当者が知っておくべき内容を解説していきます。

この記事を読むとわかること

検索意図とは何かを知り、ユーザー行動を理解するヒントにできます
検索意図を知ることで、ユーザーニーズの深い洞察が得られ、自社サイトの改善に役立てることが可能となります。

目次

検索意図とは

検索意図とは、「ユーザーが検索を行う際にユーザーが持っている目的(=意図)」を指します。ユーザーインテントとも言います。

例えば「簿記 3級 勉強時間」と検索する人は、「将来のために役に立つ資格をとりたい、その資格取得に費やす時間が自分にとって価値あるものなのかを知りたい。」「できるだけ効率よく取得したい」という願望を持っていて、その目的を満たす手段として簿記 3級 勉強時間と検索した可能性があるということが想像できますね。

このように、ユーザーが検索する本当の目的を検索意図といいます。

検索キーワードの裏には必ず検索意図がある

ウェブサイトやSNSなど人が検索する際にはキーワードを入力しますが、検索意図(インテント)から分けると大きく3つの検索タイプに分かれます。

・情報収集のための検索タイプ:インフォメーショナルクエリ(Informational)
・案内型の検索タイプ:ナビゲーショナルクエリ(Navigational)
・取引行動のための検索タイプ:トランザクショナルクエリ(Transactinal)

インフォメーショナルクエリ(Informational)

インフォメーショナルクエリは情報収集のためのクエリです。ユーザーは「何かを知りたい」、「疑問や悩みを解決したい」など情報を得たいという意図をもっています。クエリとは「問い」や「質問」の意味です。

例)「ニンニクのむき方」、「履歴書の書き方」、「東京タワーの高さ」、「ニューヨークの今の時間」など

ナビゲーショナルクエリ(Navigational)

ナビゲーショナルクエリは案内型のクエリです。ユーザは「このサイトを探したい」、「このページにアクセスしたい」というはっきりと定まった意図をもっています。

例)「ソフトバンク」、「任天堂 株価」「デジタルドクター 問い合わせ」「銀座 ランチ イタリアン」など

トランザクショナルクエリ(Transactinal)

トランザクショナルクエリは取引行動のためのクエリです。ユーザーは「何かをしたい」、「何かに対してアクションをしたい」という意図をもっています。

例)「iPhone 購入」、「航空券 予約」、「Quest 2」 など

複合クエリ

実際の検索では1つのクエリに複数の検索意図が含まれるクエリが使われることも多いです。
例えば、「iPad 新製品」の場合
・購入したいというトランザクショナルな検索意図
・「iPadの最新商品を知りたい」というインフォメーショナルな検索意図
の2つの目的をもっている可能性もあるという場合です。

Googleが考える「検索意図」とは

Know(ノウ)ーDo(ドゥ)ーBuy(バイ)ーGo(ゴー)クエリ

スマートフォンで検索する際にGoogleが考える検索意図は下記4タイプと考えられています。このタイプはマイクロモーメントと呼ばれています。

Know クエリ

情報収集のためのクエリ。「何かを知りたい」という検索意図をもっています。

Doクエリ

行動してみるときのクエリ。「やってみたい」 という検索意図をもっています。

Buy クエリ

取引行動のためのクエリ。「買いたいや取引したい」という検索意図をもっています。

Goクエリ

案内型のクエリ。「行きたい」という検索意図をもっています。

検索結果の表示

実はGoogle検索はこの検索意図によるクエリごとに検索結果が異なります。例として「乾燥肌」に関連した検索で説明します。

知りたい Knowクエリ


検索例は「乾燥肌 原因」の検索キーワードを入力した場合、検索結果は乾燥肌の原因についてのサイトが表示されています。ここで注目は広告の表示が「Buyクエリ」と比べてとても少ないことがわかります。「知りたいという意図」なのに検索結果に広告ばかり出てきたら嫌われることGoogleはわかっているようです。(笑)

knowクエリとdoクエリ(後述)はどちらに属するのか微妙なものもあり、境界線が曖昧な場合があります。また、一部のクエリは両方のカテゴリに当てはまる場合もあります。

知りたい Knowクエリ検索例「乾燥肌 原因」の検索結果

やってみたい Doクエリ


doクエリはユーザーが具体的な行動を起こすことを目的としています。

検索例 「乾燥肌 マッサージ」の検索キーワードを入力した場合の検索結果は、 Googleが「乾燥した肌をお手入れする」という検索意図をタイトルやページから認識し、検索結果に表示していることがわかります。ただし、タイトルにはキーワードの「乾燥肌」「マッサージ」が入っていないものもあります。

広告は出ていますが、少な目です。Knowクエリと見分け方がむずかしいですが、Doクエリは「手順、自分で○○する、始める、使いかた、コツ」などが説明に使われていることが多いです。

doクエリに対する検索結果は、ユーザーのニーズを満たすだけでなく、モバイルファーストの観点からも最適化されていることが重要です。

買いたいBuy クエリ


検索例「乾燥肌 化粧水 購入」の検索キーワードを入力した場合の検索結果は、検索意図が「購入」なので広告がいっぱい出ます。でも、買いたい人にとって広告は情報源です。企業としてはこのクエリが主戦場になりますね。「 Quest 2 」など指名検索の場合はキーワードに「購入」がなくてもBuyクエリと判断されることもあります。

買いたいBuy クエリ検索例は  「乾燥肌 化粧水 購入」検索結果

行きたいGoクエリ


GOクエリでは位置情報をもとにしたお店などの情報が表示されます。地図が出ているかどうかで見分けられますが、出ないこともあります。GoogleがGoクエリだと判断するとローカル検索の地図が出てくる場合が多いです。ローカル検索の場合 検索順位に影響するのは、「キーワード」と「場所の関連性」と口コミ(サイテーション)、検索位置からの距離だと言われています。

行きたいGo クエリ
検索例は  「近くの皮膚科 乾燥肌」の検索結果

検索意図によって検索結果が変わります。また「PC」と「スマホ」のデバイスの違いや、Googleアカウントにログインしている、していないなどの違いで同じキーワードでも検索結果が変わることがあります。

バーティカル検索

バーティカル検索とは、Google検索結果画面に表示されている検索機能のひとつです。

ユーザーが検索対象を「ニュース」「画像」「動画」「ショッピング」など特定のカテゴリに指定できるものです。上記画像だと検索窓下のカテゴリのことです。実は検索意図によってこのカテゴリの表示位置が変わるのです。詳しく見てみましょう。

Know クエリの場合

何かを知りたい Knowクエリの場合は「ニュース」「画像」「動画」「ショッピング」の表示が多いですが、キーワードによって表示が変化します。

例えば「紅茶」はGoクエリで認識されていますが、「紅茶 おすすめ」だとBuyクエリになり表示順が変わります。

「紅茶」Goクエリで認識されていますが、「紅茶 おすすめ」だとBuyクエリになり表示順になる比較例

Doクエリの場合

やってみたい Doクエリの場合、画像・動画のいずれかが優先的に表示されることが多いです。何かしたい時には、テキスト解説より、実際の使い方の画像や動画を見た方が圧倒的に理解しやすいというニーズを反映した結果になっています。動画が表示される傾向は年々高まっています。

Buyクエリの場合

買いたいBuyクエリはショッピング、画像が優先表示されることが多いです。Googleのバーティカル検索ではショッピングカテゴリなので、優先されて当然ですが、次に画像なのは、実際に商品を検討する時に画像で確認したいという意図を反映していますね。

Goクエリの場合

行きたいGoクエリはその場所から近い場所が表示される際には地図が優先表示されることが多いです。このようにGoogleはキーワードによって検索意図を判断し、検索結果を変えていることがわかりました。

ウェブ担当者は検索意図を知ることで何をしたらいいのか?

お客様はなぜ検索をするのでしょうか?
それは「何か」を解決したいから。
それが知識を増やすことだったり、新しい挑戦だったり、自分に合った商品を購入することだったり、またはどこかへ行きたい思いだったり。

しかし、その「何か」は実はお客様自身も気づいていないインサイトによってもたらされている可能性が高いのです。インサイトをみつけるのは難しいことですが、ユーザーが潜在的にかかえているニーズをみつけだし、適切にアプローチできればユーザーはあなたのコンテンツの顧客になることでしょう。

それには、その検索キーワードがどんな「検索意図」をもっているのかを深堀し、本当のインテントを見つけ出すことにつきます。

そのヒントとなるのはここで紹介したGoogleの検索意図の考え方です。どんなキーワードがどのクエリで判断されているのか仮説を作って検証してみましょう。そして、自社のコンテンツを改善しながら流入を検証してみてください。Googleサジェストワードも検索意図を理解する上でのヒントになります。

まとめ

検索意図から分ける3つの検索タイプ
情報収集のための検索タイプ:インフォメーショナルクエリ
案内型の検索タイプ:ナビゲーショナルクエリ
取引行動のための検索タイプ:トランザクショナルクエリ

Googleの検索意図の4タイプ
Knowクエリ、Do クエリ 、Buy クエリ 、Go クエリ
キーワード検索は検索意図を判断した検索結果が返される。 Do クエリの商品を知ってほしい時には Do クエリの検索意図を理解した上でコンテンツを作らないと、お客様からもGoogleからよい判断がもらえない可能性がある。
検索意図もリサーチした上で仮説検証の上コンテンツ制作を行っていくが大事です。

女心もわからないのに検索意図なんてと思っているあなた。理解する努力が大切です♥

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