企業がホームページを持つことは必要です。ここで言うホームページとは自社でもっているメディアのことを指します。最近はSNSなどをホームページ代わりに使っている企業もありますが、他社のサービスではなく、自社で運用するホームページが必要理由について説明します。
企業がホームページをもつ理由
「ホームページは時代遅れ」「共感をデザインする時代。だからSNSだけあればいい!」こんな意見があるのも事実です。目的によってはホームページはもたなくてもよい企業もありますが、ホームページをもつことで多くのメリットを得られるからです。
- 自社やお店のホームページを持つことはすでにインフラ
→ホームページを持たないことで企業やお店の信用が下がる時代になっています。
例えば企業の採用活動、転職活動者の9割が「企業HP」、7割が「採用HP」から企業情報を収集すると回答
(月刊「人事のミカタ」2017年調査結果より引用) - X(Twitter)やinstagramはコミュニケーションツール
→SNSは情報を拡散したり、タイムリーに伝えたり、ファンと繋がったりするのは得意。でも、構造上、情報を整理して伝えるは不得意です。そのため、情報を探しているユーザーが情報に辿りつけず機会損失になっているケースが意外と多いのです。
フロー型と言われるコンテンツは「今」が大事なのです。過去の情報は流れていくイメージ。ホームページやブログなどはストック型と言われ、コンテンツが溜まれば資産になっていきます。 - 他のプラットフォームにすべてをゆだねる危険性
→アメブロやnoteなど人気ブログシステムは企業が事業として運営しているプラットフォームです。その企業が倒産したら?コンテンツはなくなり、築いた地位もファンも失われる危険性があります。
以前インターネットのまとめサイト「NAVER(ネイバー)というサービスがありました。一般の利用者がネット上の情報を編集して「まとめ」を投稿することができ、これまでに約180万本作られましたが2020年9月30日に終了となりました。ここでサイトを作っていた方はそのすべてを失いました。 - 自社ホームページは制約を受けずに発信が可能。
→他のプラットホームを利用するとシステム的にもコミュニケーション的にも制約があります。やりたいことをするなら自社ホームページが必要となります。
では、ホームページを作ればそれでいいのか?
2021年現在、世界には18億を超えるwebサイトが存在します。(Internet Live Statsより引用)試しに「ホームページ制作」とGoogle検索してみると1億2100万のページがヒットします。
ページ数が少なかった時代は、上位表示するためのテクニカルSEOは有効でした。しかし、現在、SEOはオワコン説が流れるほど難しくなり、小手先のテクニックで集客はほぼできなくなりました。
また、お客様の行動も昔と変わりました。情報を検索するだけだったネット利用が、自ら発信したり、シェアしたりする人が増えました。SNS利用者が増えたので、自ら発信することで信用を得て、売上につなげるなどSNSを活用する企業も増えました。
かっこいいWebサイトなどイメージだけのホームページを作る時代は終わりました。今のホームページは顧客に対し自分たちの商品に対する思いを表明し、共感をしてファンになってもらうためのツールです。ユーザーファーストで考えられた自社サイトでユーザーが共感するストーリーを味わい、よい購買体験をしてもらう。そして商品や企業のファンになってもらう。そんな接点を演出できるホームページを企業は作るべきだと思います。
もちろん、現在のホームページの成功はホームページ単体ではできません。
SNS活用でネットからもSNSからもお客様を集客し、そのハブとなるような仕組みを持ったホームページが必要になります。集客は下記のようなイメージです。新しいツールは入っていますが、集客方法としては昔からあまり変わっていないのです。
では、ホームページやブログはどう作ればいいか?
食べログから集客できているからそれがホームページでよい
Noteだけで十分
こんな風に言われる経営者の方も多いのですが、本当に大丈夫ですか?
結論は自社ホームページ・ブログは他のプラットフォームに依存しないものを持つべきです。理由は
例えば「アメーバーブログ」
多くのサロンや教室系ホームページがここを拠点にしていますが、アメブロは掲載した写真、原稿は、アメブロを運営するサイバーエージェントが自由に使う権利をもつのです。
引用がわかりづらいですが・・・。
第12条(知的財産権等)
本サービスを構成する文章、画像、プログラムその他一切の情報について発生している著作権その他の知的財産権、肖像権及びパブリシティ権その他の人格権ならびに所有権その他の財産権は、利用者が自ら作成したもの(第10条第2項に掲げる場合を除きます)に関する権利を除き、当社又は当該権利を有する第三者に帰属しています。
当社は、利用者が本サービスにおいて投稿、アップロード又は保存した全ての情報(文字情報、画像情報等を含みますがこれらに限定されません)について、これらを保存・蓄積した上、本サービスの円滑な運営、改善、当社又は本サービスの宣伝告知等(第三者のメディアへの掲載を通じた紹介記事・コンテンツ等も含まれます。)を目的として、あらゆる態様で利用できるものとし、利用者はこれに同意するものとします。ー アメブロの規約より
自社ホームページを他社プラットホームに依存しすぎるのは危険!
〇キュレーションサイト
覚えていますか?社会的問題になりwebサイト閉鎖が相つぎましたが、一時期は多くのキュレーション記事が上位表示されていた時代もありました。2020年9月30日NAVERまとめが閉鎖を決定。まさに盛者必衰(じょうしゃひっすい)
ここだけに出していた企業サイトはないと思うけど、ここでブログをやっていた人は地獄をみました。それまで積み重ねたブログの知名度などすべてを失います。他社プラットホームなので自社へアクセスをリダイレクトにもってくることなどもできません。まさに、残酷物語です。
〇集客計画が大幅に狂ったあるクライアントの例
アメブロから自社ホームページへの集客数が大きなクライアント。ある日急激にアクセスが落ちました。Googleアップデートでブログ系のサイトの一斉ページ評価引き下げが原因でした。ここはアメブロ頼みで集客を行っていたので大打撃を受けました。
〇ECモールももろ刃の剣
ECショップも例外ではありません。楽天やYAHOOはたしかに大きな利益をだせるモールです。出店から運用のご支援をしていたのでそれはよくわかります。でもモールの都合よくシステムができているところが多いのです
例えば、自社モール内で集めたお客さんのメールアドレスは集めたお店に知らせない仕組みになっています。あくまでもモールのメルマガシステム使用や問い合わせの返信に使うだけ。モールをやめたら使えなくなります。一生懸命集めても全部元締めに持っていかれる・・。
複雑化するネット環境の中、難しくなるホームページ戦略
プラットフォーム依存が危ないとしても、読者の中には「自社でホームページをもってもGoogleが天下のSEO界で簡単に上位表示はできないでしょう?」と思う方もいますよね。たしかにその通りなのです。SEOは年々難しくなってきています。SNS等での評判等や専門性など様々な要因が加味されていてドンドン複雑化しています。ですので、対策したからと言って必ず上がる保証はありません。
でも、戦い方はいろいろあります。自社プラットホームのホームページであれば制約を受けずにいろんな戦い方ができるのです。
実は制作会社でも使っている!?簡単ホームページ制作ツールに注意
自社でホームページを持つことの重要性は認識していただけたと思いますが、最近は簡単ホームページ制作が流行っているので、制作会社でも使っているところがあります。
ペライチ、wix、studio、Jimdoなど、聞いたことがあると思いますが多くのツールがあります。このツールはサイト制作が簡単でしかもおしゃれなページが作れるので人気が高まっています。こういったツールはweb公開も簡単にできるようにサーバ契約も一緒になっています。
簡単に作れて、アップも簡単ですが、ここは要注意!ツール提供会社が倒産したり、サービスがなくなる危険性を認識しておきましょう。その場合、ドメインやファイルなどもすべてなくなってしまうかも・・。とくに、制作会社に依頼する場合は、万が一の対応策を必ず確認しておきましょう。
そして、こういった危険性を告知しないで提案をする制作会社やフリーランスにはご注意ください。もし、現在こういったサイト制作や運営でお困りの場合はぜひデジタルドクターご相談をください。
まとめ
この記事は、企業が自社のホームページを持つことの重要性について解説しました。
- 企業はホームページを持つべきです。理由はホームページは自社のメディアであり、他社のSNSなどのプラットフォームに依存しない信頼性を提供できるからです。
- ホームページを持つことで、企業は多くのメリットを得ることができます。例えば、採用活動や転職活動者が企業情報を収集する際にホームページが重要な役割を果たします。
- SNSはコミュニケーションに適していますが、情報の整理と伝達には制約があり、ユーザーが情報を見つけにくい場合があります。一方、ホームページやブログは情報を整理し、資産として蓄積するのに適しています。
- 他社プラットフォームに過度に依存することは危険であり、プラットフォームが倒産した場合や閉鎖された場合、企業は全てを失う可能性があります。
- 自社ホームページは自由に発信でき、他のプラットフォームにはない柔軟性を提供します。企業は自社の目的に合わせてホームページをカスタマイズできます。
- 自社ホームページはプラットフォームに依存せずに戦略を展開できる場所として重要です。
- 簡単なホームページ制作ツールが利用されているが、ツール提供会社の倒産やサービスの終了に注意が必要です。特に制作会社に依頼する際は、対策策を確認することが重要です。